2013年2月10日日曜日

本業優先の法則

会社の社長室などに行くと、よく社是社訓が張ってありますよね。あれは経営者が常々、迷ったときに見て会社の方針を再確認するために必要なんだと聞いたことがあります。

IGDA日本のようなNPOにとって、この社是社訓にあたるのが設立趣意書、すなわち「ミッション」です。詳細はIGDA日本の紹介スライドの5枚目に記されているので、ぜひご覧になってください。

IGDA日本はこのミッションに即して、さまざまな活動を行っているのですが、そこで一つ重要な行動規範がありました。どこにも書かれていないので、改めて紹介します。それが「本業優先の法則」です。

世の中にはさまざまなNPO法人があり、中には常勤雇用者を抱えている団体もあります(IGDA本体も数名の常勤雇用者がいます)。しかしIGDA日本については、今のところ給与などはお支払いしていません。そのため常に「本業優先でお願いします」と説明しています。当たり前ですよね。

でも、時々これが逆転しちゃうことがあるんです。一番まずいのは「IGDA日本の運営に本腰が入り過ぎて、業務に支障が出た/体を壊した」みたいな状況が発生すること。そうなると周囲との摩擦が発生しますし、新しく運営スタッフに手を挙げてくれる人はいなくなりますし、活動が先細りになってしまいます。IGDA日本にとって最大のリスク要因といえるでしょう。

ただ、世の中ってどんどん移り変わっていきます。就職した、昇進した、結婚した、子どもが生まれた、地方転勤になった、転職した・・・。人ひとりをとりまく環境も、どんどん変わっていきます。そのため「昔のようにIGDA日本の活動に力を入れることが、できなくなった」ということが必ず発生します。それが当たり前だと思います。

そこで、そういう人には最大限の謝辞でもって、こころよく活動をお休みいただけるようにしています。役員やSIGの世話人であれば、どんどん交替していただければと思います。だってボランティアなんだから! 自由意志でやっているから、楽しいんであって、義務感でやるのは辛いだけですよね。

ちなみに、適任者がいなければ、その人が担当していた分野は、新しく意欲のある方が手を挙げていただけるまで、休止となります。ずーっと休止が続くと、なくなります。そうやって組織の新陳代謝を計っていく仕組みになっています。これはIGDA日本全体としても同じで、役員の任期は2年となっています。再任回数に限りはありませんが、逆に「辞めたい」という人を引き留めることはできない仕組みです。

逆に新しく何かやりたい、という人に対しては、よく「手と口の両方を動かしてください」とお願いするようにしています。手と口の両方を動かす人は、周りから信頼がどんどん集まります。手と口を共に動かさない人は、だんだんフェードアウトしていきます。そりゃそうですよね。

では片方だけの人はどうか? 手だけ動かす人は、雑務でも粛々とこなしていただけるので、大変ありがたい存在です。逆に口だけ動かす人は・・・次第に信頼を失っていきます。これがボランティア団体のおもしろいところです。同じようなことは、オープンソースコミュニティでも聞かれます。実際にコードを書いた人が偉い、というわけですね。

まとめるとIGDA日本は、どんどん中の人が入れ替わっていくことが前提となっている組織です。そのため、できるだけ日々の活動に際して、ドキュメント化を進めるようにしています。そして誰がどう入れ替わっても、うまく引き継げるようにしたいと思っています。だって「本業優先」ですからね! 

というわけでIGDA日本で何かやってみたい、運営に参加してみたい、手伝ってみたい、講演してみたい、という方がいたら、お気軽にお声がけください。「本業優先」で楽しくやっていきましょう!

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